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(04/26 09:12)

<NQN>◇債券寄り付き 長期金利、一時0.930%に上昇 日銀の国債購入減に思惑

<NQN>◇債券寄り付き 長期金利、一時0.930%に上昇 日銀の国債購入減に思惑
 26日朝方の国内債券市場で、長期金利が大きく上昇(債券価格が下落)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.040%高い0.930%と、2023年11月2日以来の高水準をつける場面があった。日銀が26日まで開く金融政策決定会合で国債買い入れの規模を縮小させる方針を示すとの思惑が強まり、長期債には需給の緩みを警戒した売りが出た。

 時事通信は25日夜、日銀が決定会合で「国債買い入れの縮小の方法を検討する」と報じた。「事実上の量的引き締め(QT)へ移行することになる」といい、国債買い入れオペ(公開市場操作)の規模が減少するとの見方が長期金利の上昇を促した。日銀はあわせて公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で物価見通しを上方修正する見込みで、追加利上げが意識されやすいのも金利の上昇圧力となった。

 米金利の先高観が高まっていることも国内金利の上昇につながった。25日発表された1〜3月期の米実質国内総生産(GDP)速報値では、物価指標である米個人消費支出(PCE)物価指数の伸びが市場予想を上回った。根強いインフレで米連邦準備理事会(FRB)の利下げが先送りになるとの見方が強まり、25日には米長期金利が4.7%台と23年11月上旬以来の水準に上昇した。

 総務省が26日発表した4月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)では生鮮食品を除く総合が前年同月比1.6%上昇した。上昇率は市場予想(2.2%)を下回ったものの、下振れは東京都が24年度から高校の授業料無償化の所得制限を撤廃した影響が大きいとみられ、債券相場を方向付ける材料とはなっていない。

 中期債では新発2年物国債の利回りが前日比0.020%高い0.315%をつけ、09年7月以来の水準に上昇した。短期金融市場では大阪取引所で無担保コール翌日物金利(TONA)先物の中心限月である6月物は取引が成立していない。 

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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